ゲーム・小説・映画

鬼女ハッグ

鬼婆ハッグ/Hag

山の奥に住む老いた魔女。日本では人を食う山姥。人を食う鬼のイメージが強いですが、金太郎を育てるなどの二重性を持ちます。これは人間に恵みを与える山の力の厳しい冬の面の人格化だからかもしれません。【ハッグ:wiki】【鬼女:wiki】【山姥・山乳母・鬼婆:wiki】

私が印象深いのは『小僧と三枚のお札』です。これとそっくりの話がハンガリー民話の『勇者ヤーノシュと黒龍フェルニゲシュ』にあります。鬼婆は足が速いという特徴があるようです。

蜂男ビーマン

ビーマン/Bee-Man

硬い殻と柔らかい羽を持つ虫人。集団で行動し、女王や巣を攻撃する者には自分の死を厭わずに攻撃します。


宴結び:2016/07/31
無題 ▼

出遭っちまったが運の尽き
いつかの花に風が吹く
追って縋ったこの惨めさも
明日の雨には足りぬという
カッコウカッコウカッコウコウ
下手な拍子に郭公が鳴く

笑った振りして化粧して
振って返れば悍ましい
宛もないのに辛さで満ちた
器はひとりで干せばよい
カッコウカッコウカッコウコウ
おひとりさまには郭公が鳴く



ローロー
 :2016/09/18
孤を描く 弦 ▼

断ち 捨てて 離れれば
苛む木枯しもやがて止み
その虚無さえも懐かしくなる

それが強さ
お前の強さ
奏でる弦を弾かずなぞる
ただどこまでもなぞりゆく
突き詰め放つ
その強さ



ゲヘナ:2016/09/19
孤毒 ▼

月も出ぬ夜に踊り出て 吹き荒ぶ風に身を晒し
鳥の鳴く木に石を投げ 散り行く花に死を想う

そして受け持つ器の中の 満ちに満ちたる辛さの海に
ポトリと落ちるは一匹の 小さな小さな小さな子虫

そして月日は流れ着き

月も出ぬ夜に踊りだし 吹き荒ぶ風に身を委ね
鳥の鳴く木に餌を投げ 散り行く花に昔を想う

そして手に取る大弓の 張りに張られたその弦を
優しくなぞるは一匹の 大きな大きな大きな弧虫

強きはひとか この虫か?

 

妖精ダークエルフ

堕妖精ダークエルフ/Dark-Elf

ダンジョンズ&ドラゴンズが起源と思われるダークサイドに堕ちたエルフ。『指輪物語』ではオークのポジション。私がダークエルフを知ったのは『バスタード〜暗黒の破壊神』の雷帝アーシェス・ネイかな。このころは褐色黒髪でしたが、褐色銀髪、白色白髮黒甲冑など変換しています。こうやって見ると、人種差別、中2病、引きこもり、テロリストなどとダークエルフのデザインは関係しているとコジツケルことが出来るかもしれません。【wiki】


名もなき者よ:2016/09/13
人の世よ ▼

もしノアの言う通り
大洪水が来るならば
飲み尽くそう
食べ尽くそう
歌い尽くそう
踊り明かそう
神に見せよう
人の愚かさを
もしノアの言う通り
人の世が終わるなら



ローロー :2016/09/18
俗世圏 ▼

見たい
お前が肉を喰うところ
見たい
お前が酒を呑むところ
見たい
お前が猥談するところ

村に燃盛る大火の周りで
汚い肌と肌の輪が
明日のために明日を忘れ
下世話のえくぼで今を抱く

港に濡れて 町に汚され
城に躓き 村へと帰る

次は人として出直すために



竜胆ヒマワリ:2016/09/20
ウナギが減っているので
いまのうちに食べましょう ▼

ノアこそ人の肌架(はだか)の素型(すがた)。
生き残る形。生き残った姿。
 
周囲に流されず、
常識に飲み込まれず、
ノミとノコとで船を削り
ツガイを捕まえ種を残す。
 
国が水に没しても、私だけは生き残る!
人が火に焼かれても、私だけは生き残る!
答えが風に吹かれても、私だけは生き残る!
 
そして生き残った天地を喰らい
平気な面して何度でも海を割ろう。
 

男/Man

修羅街挽歌

糞尿と塩素の匂いが垂れ下がる小路。
朽ちた偶像にステンドグラスの光。
毒ネズミの赤い眼光の列。
僕らの街の冷えきった喉元。

酢になったワインだらけの貯蔵庫。
黒ずんだ紙束がビルから投げ捨てられ、
カラスの群れが燃えながら飛ぶ。
僕らの街の底なしの胃袋。

母と妹が焼かれた街、
息子同士が撃ち逢った墓所。
日課を漁るゴーストドッグ。
僕らの街の曲がりくねったハラワタ。

外へと続く暗く長い回廊。
頼る光も影もとうに絶え、風の音もすでに尽きた。

暗く永い回廊。
暗く永い回廊。
回廊。
回廊。
回廊。
回廊。
帰ろうか?(帰れるの?)
進もうか?(進めるの?)
はぐれた仲間の声だけにまどろむ

竜胆ヒマワリ


名もなき者よ:2016/10/15
秋の修羅 

愚か者よと人は言う
愚鈍で頑固でピンボケで
哀しむ心も持ちやしない
ならば私は鋼となろう

剣を通さず
決して折れず
押しても動かず
引いても動かず
人がどんなに叩いても
痣すらできず
血など流さず
全てを忘れて
鋼となろう。



竜胆ヒマワリ:2016/10/17
オリ春コン  

我らノームの長老は
思考回路が開くたび
おでこのヒンディ固くなる

終いにゃ生きた結晶柱さ
自分の脳が動きつつ
自分の体が動きつつ
自分自身はどこかに消える

さぁ見やれ
この星とりまく
オリハルコンの氷柱の群れを
あれこそノームの限界天
試行海路の道標

さぁ見やれ
地に這いつくばった修羅の群れども
限界点は見定まり
あがくイトマも
わめくイトマも
とうに昔に尽き果てた

これから降るのは
砕けて尖った遺跡の残骸
地に潜り固くなっても
空を見すえて避け続けても
生き残るすべは蜘蛛の糸のみ…

始祖の巨人ユミル

始祖の巨人ユミル/Yumir

耳障りにわめき叫ぶ者/オーディンらを産み、オーディンらに倒された原初の巨人。その死体は大地に、流れた血は海と川に、砕かれた頭蓋骨は星となり、髪の毛からは草花、腐肉に湧いた蛆から妖精が生まれた。【wiki】


進撃の巨人は原作もアニメも本当に凄い。今回は特に凄いユミルを紹介しよう。

「装甲をまとって戦う巨人」というコンテンツは戦後の日本で【ウルトラマン→ガンダム→エヴァ→進撃の巨人】と脈々と続いている。特にエヴァはシンジの自意識・プラグスーツ・LCL(羊水=母)・エヴァ本体(科学技術=父)・拘束具・ATフィールド…と、各種装甲、各種逃避のマトリョーシカだ。父性敵怪物と母性的怪物のミルフィーユ。攻撃からの耐性と拒否、敵と味方の二元論が加速して最後に突破される。

進撃の巨人も装甲巨人系譜の中にある。特に面白いのが「巨人を食うと記憶と能力が継承される」というアイデアだ。円谷を食う富野、富野を食う庵野、庵野を食う磯山…日本の各時代を反映し続けるコンテンツ群の厚みに感謝と感激しかありません。この敵と味方に引き裂かれた二元論の物語に橋を架けるキャラがユミルだ。ユミルは斜にかまえている。世界を俯瞰で見ている。彼女自身の生い立ちと知性のためだが、ここぞ!というときは衝動で動く。後先考えない。巨きな世界観を持ちながら衝動でも動ける余裕がある。(年の功か?)だからこそ、ベルトルトの声を聞ける。ベルトルトを見つけられる。団長を助けられる。クリスタから離れられる。このようなキャラがガンダムやエヴァにもいる。
ガンダムのカイ・シデンはカッコイイ。一年戦争後はジャーナリストとなり装甲を脱いで生身で「戦争そのもの」と戦う。そりゃアムロやシャアよりカッコイイ。ユミルもカイと似ている。その三白眼。その口の悪さ。所属集団に固執せず、だからこそスパイも助ける。だからこそ「戦争そのもの」を陣営を越えて見ることができる。達観しながらも、結局は戦場に身を投じる。それも軽やかに。

エヴァではカヲルくんだろうか?ナゾの宗教組織のアイドル。偶像。入れ物。そんな境遇のためか他人との心理のやりとり・交渉に慣れている。他人の体によく触る。同性愛的。物語のナゾそのものの役目を担う。(ユミルも偽だが始祖の名を与えられている。)誰か一人だけを助けようとしている。しかし最後には「その誰か一人」から離れ、戦いそのもの・世界観そのものに終止符を打つため自身を犠牲にする。


ローロー :2017/06/21
 

世界の肌に触れたい
肉壁に触れたい 脈を感じたい

我らを包んでいた世界の肉に
いつしか大きな柱が刺さり
白い塩の柱が刺さり
その体温から遠ざけられた

全方位からそびえる柱に支えられ
人を世界から隔離したコロニーの地平
嘘の風を吸い
仮の水を飲み
偽の土を踏みしめる
炎だけが本物だ 炎だけが……

かつての人は
見えない翼をもち
見えない牙をもち
見えない尾をもち
世界の肌に額をつけて 感じていた
最小から最大に至るまでの
膨大な生と死の波打ち際を

暖かな暗がりの中で
顔の見えない母の中で
世界の肉に接吻しながら
保ちつつも溶け合いながら



竜胆ヒマワリ:2017/06/24
辛福な皇子 

 砕かれた顎
 摘まれた乳房
 毟られた脇毛
 断たれた四肢
 両目だった穴からは泉が湧き
 抉られた心臓からは血の海だ
…そして蛆が湧く

 奪ったモノの上に肥えながら
 失くしたモノのために飢えながら
 腐肉の毒にぬたうち生きる
 星の欠片を継ぐ子どもたち

 東西より持ち込んだ凶兆で
 オロンパス(世界の臍)に梯子を建てよ
 古今への吉兆を祈り
 天まで延びた、その梯子を燃やせ

 泣け、喚け
…白く透明な蝿に成るまで
 狂え、踊れ
…上昇する気流に乗るまで



ローロー:2017/06/24
昇天十字軍 

僕の哀れなお母さん
瞼は開き 口は開き 指先は二度と握れない
僕の哀れなお母さん
虹が刺さり 海水が染み込み 散り散りに分かたれていく
そうれ 皆、運動だ
隊列組んで運動だ
ぬるく潤う母の大地で
おぞましいほど幾何学だ

そうれ 皆、上を見ろ
唇かんで上を見ろ
空の青さに紛れた隆起が
届かぬ僕らの父さんだ

お母さんから沢山奪って
至天に隠れたあのろくでなし
入道雲を侍らせながら
星降る夜に白く湿った
ミルキーウェイとしけこむぞ

お母さん
近い未来に僕たちは
白い羽もて空隊組んで
甲斐性なしを撃ちに行く
夢見るあいつの天之鉾に
幾千の唾吐きかけて
お母さんの似顔絵かいた
僕らの旗を立ててやる

お母さん 僕らは命短くて
お母さん 明くる朝にはロストする
お母さん 僕らは光に憧れて
お母さん 頭数とて切り崩す
お母さん……!

妖精ウッドエルフ

森の妖精ウッド・エルフ/Wood Elf

◉ ヨーロッパの民間伝承・ゲルマン

バッカナールの世界では身長120cmほどで森の中を素早く三次元移動し、植物性の毒矢や茨製のトラップゴーレムを操る種族。ハイ・エルフやダーク・エルフに比べると陽気で呑気でいたずら好き。

指輪物語やウィザードリィなどに登場する痩身美麗で高貴な種族ですが、起源であるゲルマン神話でも人間と同じ大きさの神族として登場します。しかし、民話に登場するエルフはフェアリーの誤訳なのか、数cmで羽が生えている者もいるようです。【wiki】

 


ローロー:2016/03/30

インザ ダーク ▼

薄暗い苔の中で 独り回る踊り子
拒絶する岩の上で 独り回る踊り子

人の挫折や希望に沿わせ
僅かな反射に視界を求め
独り踊り子奏でる静か
寄るもの皆そう日陰者

蛍光の虫が飛び交う最中
苔むした瞼 開き見つめる踊り子
厳かに憂い潤い 濡れた眼で見るだけのそれ

そのための踊り子
恵まれた踊り子
今結ばれた 
君だけの舞台


竜胆ヒマワリ:2016/04/04

インセプション ▼

宙を舞う独楽の連団が
星の外周に輪を成している
太古から続く縞模様の空

やがて隣りの独楽に弾かれて
あるいは慣性を使い果たして
流星となり地に降りはじめる

ひとつは空に焼かれて消え失せた
ひとつは凍った海に身投げした
ひとつは星に生命を芽吹かせ
ひとつは火と鉄の素となる

インスピレーションは無限に浮かぶが
地に足着いても踊る子は少ない
新しい舞台に出鼻を挫かれ
新しい夢に先を越されて

しかし忘れられない記憶がある
極小の摩擦と重力のなか
ひとりで
みんなで
楽しく踊れた経験が

インセプション
新しい季節だ