ソロモン72の悪魔

魔獣騎兵ムルムル

哲学の魔騎士/Murmur

中世キリスト教『ゴエティア』

グリフォンに乗った公爵冠を被った緑鎧の騎士。トランペットを吹く多くの家来を引き連れ、高く耳障りな声で喋ります。ネクロマンシー(ガミジンに次ぐ No.2)・哲学を得意とし、怠惰・鈍重・損失を担当します。【wiki】


わたし:2017/02/12
馬上少年過ぐ人へ 

また夢を見た
悪い夢ではなかったが
良い夢でもなかった
古いあの日の夢だった

上古というほど古くなく
昨日ほど近くもない
まさにまどろみ
原始のカオス

懐古の念を覚えるほど
私は老いてない

不気味で不思議な夢だった



竜胆ヒマワリ2017/02/14
泥に映る青空 

…何度も足掻く泥沼の夢

 今朝も進軍時計が鳴り響き
 新進気鋭のゴマカスどもが
 群体を無し現実を永遠に蜂起している

 ゴマカシ
 ゴマカシ
 ゴマカシ

 かつて論理な狼王も
 首輪につながれ遠吠えるだけ
 かつて幼心(おさなごころ)の熊君(くまぎみ)も
 口輪をつけられオネダリのポーズ

 ヘダタリ
 ヘダタリ
 ヘダタリ

 ピカソよりラッセンを愛し
 女よりポルノを愛し
 時代は頭上を軽く飛び超え
 都市は気圧をアゲながらソビエ勃つ
…わたしの声はか細く

 トオノク
 トオノク
 トオノク

 足は萎え耳も遠く
 記憶も視界もハッキリしない
 今夜も夢に侵入されて
 ぬかるむ水田に苗が挿される
 どこぞの国の稲王か?
 はたまた寝ボケた私自身か?

 マドロム
 マドロム
 マドロム



ローロー:2017/02/14
その夢だけは忘れるな 

親の名も
ふるさとの風も
因縁の顔も忘れていいが
その夢だけは忘れるな

世間に息するお前の意思は
すり替えられ
他者に届けたお前のその言葉は
歪んで受け止められ
色も形も匂いも変えられ
原型を無常に浸しながらも帰路につき

寝床に飛び込むために
枕に埋めるために

また闇の中で一人
メリーゴーランドの白馬に乗るために
十月十日の呼吸の記憶
存在全てで反芻するために

生き抜くために迎えた羽化が
耐えられない変化にお前を連れ去ろうと
何の足しにもならない
お前だけのゆりかごは
ボウフラ天使のホルマリンだけは
その夢だけは忘れるな
神にも日々にも触らせるな

亀老人ヴァッサゴ

Vassago

中世キリスト教『ゴエティア』

巨鰐に乗った逆三角形の白い骸骨顔の老人で、盲目の目はこめかみまでつりあがっています。緋色の衣をまとい、黄金のブレスレットを着けた右手に鴉をとまらせた、かすれた声の落ち着きのない男です。過去と未来の透視・失せ物の情報・女・悪徳を得意とし、女の秘密に通じ、その講釈をしたがります。アガレスに準ずる職能ですが、よりおとなしいので簡単に呼び出せます。完全・苦難の末の完成・労働後の休息・賢明・精妙・喜び・美を担当します。【wiki】


ローロー:2014/10/26
虫の歌 

こう生きたい ああなりたい
これがしたい すぐに行きたい
世界のどこかへの憧憬とみすぼらしい安息を背負って
ヤドカリは今日も膨大な情報量の上を縫うよ

己の絶望的な弱さと 生き物としての他愛ない歪さに捧げて

夜空の隙間たる下弦に照らされても気づけずに
好きでもない歌を唄いながら
世界のどこかへの憧憬と
無心になりきれないつま先の弾みで
ヤドカリが 色のついた虫けらが 人の心で以て
恋の歌を唄いながら
黄昏の燃える窓に向かって 縫う 己の 寿命を


kappa:2006/01/08
ひさしぶりに書いてみました 

そっと闇の戸叩いてごらん
その音は限りなく響き
その響きが消えるとき
世界は破滅す



竜胆ヒマワリ:2017/10/30
マルチバース 

結んだ掌から宇宙が生まれ
開いた掌から宇宙が消える
ジッと手を見る我が暮らし

不死鳥フェニクス

フェニクス/フェネクス/Phenex

ソロモン72柱の天魔/中世キリスト教『ゴエティア』

永遠の命を持つ火の鳥。または鋭い目をした剣を携えた長身黒髪の落ち着きのない男。子供のような美声で歌い、聞いた者を操って自らの炎の口に導きます。歌・科学の不思議を開陳・雄鶏に朝が来たことを知らせ、詩作・文学を得意とし、争いを好みません。雑音・非寛容・頑固・勇気・復讐を担当します。【wiki】

エジプトでは霊長ベンヌを起源とし、朝に幼鳥として炎から生まれ、夜には燃え上がる炎に飛び込み死に、また朝に幼鳥として生まれます。

手塚治虫の『火の鳥』で育った日本人には、悪魔のフェニクスというのはピンときません。が、たしかに永遠の命に取り憑かれた登場人物達を見ていると、悪魔といえなくもありません。

phoenix-big


ゲヘナ:2006/11/09
ケイロンは「不死」であるが故に「死」を望んだ。 ▼

人間よ。「ヒュドラの矢」という物を知っていますか?
その矢に刺された生物は苦痛に悶え苦しみ、自ら「死」を迎え入れたという…

それがどれほど幸福なことであるかを知っていますか?

生きる上では絶対に逃れる事の出来ない苦痛。
造り主はその苦痛より逃れる術として貴方に「死」を与えた。
苦しみが続かぬように。安らかに眠れるように。

なのに嗚呼、人間よ。何故あなた方は「不死」を望む?

私は、「不死」を望む者達の末路を数え切れないほど見てきた。
迎えるべき死より逃れ、僅かな生にしがみつく醜き様を。
不死であるが故に…

不死に苦痛の終わりは無く、不死に安息の時が来ることはありません。
死があるからこそ生は輝き、自分の生に満足を得ることができるのです。

人間よ。貴方は苦痛無き「 」を望みますか?



ローロー:2006/11/10
苦痛にまみれて ▼

苦痛の裏の幸せを君は知っているんだね
でもね 僕は見ちゃったんだ

狂おうと、傷つこうと、笑い続けるあのひとを
穢れても、穢されても、輝き続けるあのエメラルド

彼の内側は地獄に満たされていた でも
彼の銃口はまだ清らかに、大胆に、残酷に光っていた

枯れ果てても彼果ててもバイバイするのはまだ早いのさ



ゲヘナ:2006/11/10

「死」は生の終着、「死」は生への執着
 

人間よ、貴方は「生」を望むのですね。
言葉の刃に心臓を刺されようとも。冷たき風に心を患おうとも。

ならば私は見守ろう。苦痛に呑まれし貴方の「生」を。

苦痛の上にある笑顔を。苦痛に屈した上での笑顔を。
穢されても消えぬ輝きを。穢されたからこそ消えぬ輝きを。

私は貴方の全てを許し、貴方の「生」を彩ろう。

だから、儚き人間よ。
貴方が「生」に疲れたならば、私は炎の翼を広げ、貴方の「全て」を包みましょう。
貴方の苦痛を焼き尽くし、貴方の穢れを祓いましょう。

神も魔も、獣も人も、「 」があるからこそ美しい。


竜胆ヒマワリ:2006/11/10
不死の望み
は王と奴隷の祈りから
 

フェニックス。
お前を求める我欲に焼かれ、
お前が放つヒカリに焼かれ、
我等は繰り返し死ぬだろう。

それでもいつかはお前を捕らえ、
飼育し、増やし、家畜とする。
お前の悲鳴を肴にし、
終らない退屈を憂いながらでも、
お前の生き血は楽しめる。

フェニックス。
我等は、お前らに「反逆」するのだ。
幸福の中でも、地獄の中でも、虚しさの中でも、
お前への「反逆」だけは忘れない。
そうして我等はお前の保護者になろう。

おっと、保険にヒドラの矢を一本。

魔鳥アンドレアルフス

美馬孔雀アンドレアルフス/Andrealphus

大きな孔雀の姿で現れます。プランシーの版画では馬孔雀です。気象予報・人間を鳥にする・邪眼?・数学・幾何学(測量)・天文学を得意とし、創造・建築・賢明・利己性を担当します。【wiki】


ローロー:2016/05/29
サーチマイセルフ 

幸薄い人間とは、己の中に滴る水を
噴き出す蛇口を失った者だ。

そしてそれは、かつて己自信が望んだことだ。
秘められ過ぎた秘密はやがて
その価値すら忘れられるということだ。

幼心の天性を失った無い物ねだりのパーカッションよ
その肉体と脳に刻まれゆく艱難辛苦で以て
砕け散っては甦れ



竜胆ヒマワリ:2016/05/30
外された梯子・埋められた子宮 

己を燃やし尽くす魔曲を自ら孕み、自ら産み
その業火に幾度も詩に耐え、幾度も読み換える

七度も転生すりゃ参道のゴミもあらかた燃え尽き
この芸術的迷宮の本丸に突入だ



ローロー:2016/05/30

抱いて寝る唯一の枕詞 

垣根の垣根の曲がり角
境界 制限 タガの隙間で
出会える魔法の旋律の在処

アブサン 南無三 不実の純潔
相反してはシンパシー

願わくば
その譜面はお前の脳裏から線香のように
空に晒して霧散せよ
霞を喰えとは敢えては言わぬが
思う所はあるはずだ

本当の想いは誰にも知られず
ましてや音の揺れにも漏れず
胸に秘めたる不毛な願望
熟し果てては抱えて眠れ



cue :2016/06/02
ニガ世モギ 

風に 吹かれて 叫んでは、 ( わたしの外の… )
雨に 打たれて 泣くのです。( わたしの外の… )
土を 香って  うずくまり、( わたしの外の… )
火を 囲んでは 踊るのです。( わたしの外の… )

息が、荒ぶり、( 私のなかのシルフ )
血が、逆巻き、( 私のなかのウンディーネ )
骨が、軋んで、( 私のなかのノーム )
目が、燃える。( 私のなかのサラマンダー )

謝肉謝精のクンニヴァル
感謝感激姫あらわ



竜胆ヒマワリ:2016/06/02
低きに流るる人の業。
高きを目指す人の業。そのワルツ。
 

足があるからダンスする。
言葉があるから詩を紡ぐ。

その個人の芸術が抑えられる時代(とき)は
世の中の金と力が
一処に滞っている兆し

だから
金を集めるための祭りと
金を散らすための祭りを重ね
個々に引き篭った善力を交歓しよう
世の中の
物と命と精神が
流れて震えて増えるよう

魔鳥ハルファス

戦争準備の凶鳥ハルファス/Halphas

中世キリスト教『ゴエティア』

血のように赤い目に、屍臭を漂わせたカモ・カラス・コウノトリ・ハトの姿。または片足を露出した緑衣のかすれた声の女性。戦争全般・要塞の建築・武器の補給・兵士&艦船の適格で迅速な派遣・人々に戦争を吹き込むのを得意とし、剣の腕もあります。これらの技術を人間に無償で与えるのは、彼が望むのは流血そのものだからです。高慢・高貴・富・権力・うぬぼれ・無礼を担当します。【wiki】


宴結び:2010/04/28
カノン 

さあ今だ撃つのだ 猟人よ 侵略者よ
 汝が追いかけて 追いかけて
  汝が追いかけて 追いかけて
           追いかけて
銃口を向けて 砲塔を並べよ
引き金を引き 火縄に灯せば

嗚呼、今だ討つのだ 弾丸よ砲弾よ散弾よ榴弾よ
 汝が追いかけて 汝が追いかけて
  汝が追いかけて 汝が追いかけて
              追いかけてくる
 我に迫りくる 我に迫りくる
  汝が追いかけて 汝が追いついて
              肉に触れ

きっとそれは我を打つ
 繰り返し 繰り返し
      何度も



竜胆ヒマワリ:2010/04/29
 人間は歴史から
「人間は歴史から学ばない」ことを学んだ 

引き金の端正なタイピング
頭蓋を跳弾するリズム
崩れた膝のステップ
破れた動脈の最後のシャウト

………………………………

魂への畏怖と罪は鎮静され
繰り返し間引かれる生誕のタイミング
繰り返し世界を商談するイズム
繰り返しクズれる株でスリップ
繰り返し焼かれる道楽なベストショット

………………………………

耳をすますべきはあの一瞬の吐息
目をさますべきはその怠惰な鎮静歌



宴結び:2010/04/29
ロンド 

 くりかえしのうた

砲身をならべて 進めや進め
何度でも 何度でも

喉元をすぎれば血の味だって忘れる
瘡蓋の下からじわりじわりと噴出す膿の泣き声に一小節

方針をそろえて 進めや進め
幾度でも 幾度でも

軍靴の音を軍歌の声を
急ぐのだ、いや待つのだ?
未だ知ることのない骨へと響く一小節

放心をたたえて 進めや進め
空虚でも 空虚でも

荒廃した大地と銃声の合間
そこに確かに残るリフレイン
肌は破けて皮となりぴりぴりばりばりと裂ける一小節

疱疹をかかえて 進めや進め
最後でも 最後でも

滴る汁を飲み干して
溢れる汗は飲み下し
インスピレーションは神経に電気を流し
尿と流して一小節

  (*くりかえし)



竜胆ヒマワリ:2010/04/30
競争曲 

金も銀も使いはたし
角も槍もとうに折れ
王も玉も捕れてなお
9×9の枠を掘削しながら工兵たちのゲームは続き
ゼロフラットな荒野へと零れ落ちてゆく

眠っても同じ景色
反転の転轍機は遥か彼方か?
通り過ぎてはなかろうが?
あの薄曇りは反撃の狼煙の名残じゃないのか?
この怒号とデマと呟きは復活の呪文の欠片じゃないのか?
起きても同じ景色

頭の中の∞☓∞の基盤
退屈しのいで頭蓋を囲み
薄れて破れた海馬から
毎夜絶えない革新の歌・保守の歌
狂想曲が来越えてくる
ア・セッション!

新しい一歩
新しい一手
新しい朝