カテゴリー: ソロモン72の悪魔

亀老人ヴァッサゴ

  

ヴァッサゴ/Vassago

◉ 中世キリスト教『ゴエティア』

巨鰐に乗った逆三角形の白い骸骨顔の老人で、盲目の目はこめかみまでつりあがっています。緋色の衣をまとい、黄金のブレスレットを着けた右手に鴉をとまらせた、かすれた声の落ち着きのない男です。過去と未来の透視・失せ物の情報・女・悪徳を得意とし、女の秘密に通じ、その講釈をしたがります。アガレスに準ずる職能ですが、よりおとなしいので簡単に呼び出せます。完全・苦難の末の完成・労働後の休息・賢明・精妙・喜び・美を担当します。【wiki】

 


ローロー
2014/10/26

虫の歌 ▼

こう生きたい ああなりたい
これがしたい すぐに行きたい
世界のどこかへの憧憬とみすぼらしい安息を背負って
ヤドカリは今日も膨大な情報量の上を縫うよ

己の絶望的な弱さと 生き物としての他愛ない歪さに捧げて

夜空の隙間たる下弦に照らされても気づけずに
好きでもない歌を唄いながら
世界のどこかへの憧憬と
無心になりきれないつま先の弾みで
ヤドカリが 色のついた虫けらが 人の心で以て
恋の歌を唄いながら
黄昏の燃える窓に向かって 縫う 己の 寿命を

 


kapa
2006/01/08

ひさしぶりに書いてみました ▼

そっと闇の戸叩いてごらん
その音は限りなく響き
その響きが消えるとき
世界は破滅す


竜胆ヒマワリ
2017/10/30

多次元宇宙論

マルチバース ▼

結んだ掌から宇宙が生まれ
開いた掌から宇宙が消える
ジッと手を見る我が暮らし

不死鳥フェニクス

フェニクス/Phenex
フェネクス/Phenex

永遠の命を持つ火の鳥。または鋭い目をした剣を携えた長身黒髪の落ち着きのない男。子供のような美声で歌い、聞いた者を操って自らの炎の口に導きます。歌・科学の不思議を開陳・雄鶏に朝が来たことを知らせ、詩作・文学を得意とし、争いを好みません。雑音・非寛容・頑固・勇気・復讐を担当します。【wiki】

エジプトでは霊長ベンヌを起源とし、朝に幼鳥として炎から生まれ、夜には燃え上がる炎に飛び込み死に、また朝に幼鳥として生まれます。

手塚治虫の『火の鳥』で育った日本人には、悪魔のフェニクスというのはピンときません。が、たしかに永遠の命に取り憑かれた登場人物達を見ていると、悪魔といえなくもありません。

phoenix-big

 


ゲヘナ
2006/11/09

ケイロンは「不死」であるが故に「死」を望んだ。 ▼

人間よ。「ヒュドラの矢」という物を知っていますか?
その矢に刺された生物は苦痛に悶え苦しみ、自ら「死」を迎え入れたという…

それがどれほど幸福なことであるかを知っていますか?

生きる上では絶対に逃れる事の出来ない苦痛。
造り主はその苦痛より逃れる術として貴方に「死」を与えた。
苦しみが続かぬように。安らかに眠れるように。

なのに嗚呼、人間よ。何故あなた方は「不死」を望む?

私は、「不死」を望む者達の末路を数え切れないほど見てきた。
迎えるべき死より逃れ、僅かな生にしがみつく醜き様を。
不死であるが故に…

不死に苦痛の終わりは無く、不死に安息の時が来ることはありません。
死があるからこそ生は輝き、自分の生に満足を得ることができるのです。

人間よ。貴方は苦痛無き「 」を望みますか?


ローロー
2006/11/10

苦痛にまみれて ▼

苦痛の裏の幸せを君は知っているんだね
でもね 僕は見ちゃったんだ

狂おうと、傷つこうと、笑い続けるあのひとを
穢れても、穢されても、輝き続けるあのエメラルド

彼の内側は地獄に満たされていた でも
彼の銃口はまだ清らかに、大胆に、残酷に光っていた

枯れ果てても彼果ててもバイバイするのはまだ早いのさ


ゲヘナ
2006/11/10

「死」は生の終着、「死」は生への執着 ▼

人間よ、貴方は「生」を望むのですね。
言葉の刃に心臓を刺されようとも。冷たき風に心を患おうとも。

ならば私は見守ろう。苦痛に呑まれし貴方の「生」を。

苦痛の上にある笑顔を。苦痛に屈した上での笑顔を。
穢されても消えぬ輝きを。穢されたからこそ消えぬ輝きを。

私は貴方の全てを許し、貴方の「生」を彩ろう。

だから、儚き人間よ。
貴方が「生」に疲れたならば、私は炎の翼を広げ、貴方の「全て」を包みましょう。
貴方の苦痛を焼き尽くし、貴方の穢れを祓いましょう。

神も魔も、獣も人も、「 」があるからこそ美しい。


竜胆ヒマワリ
2006/11/10

不死の望みは王と奴隷の祈りから ▼

フェニックス。
お前を求める我欲に焼かれ、
お前が放つヒカリに焼かれ、
我等は繰り返し死ぬだろう。

それでもいつかはお前を捕らえ、
飼育し、増やし、家畜とする。
お前の悲鳴を肴にし、
終らない退屈を憂いながらでも、
お前の生き血は楽しめる。

フェニックス。
我等は、お前らに「反逆」するのだ。
幸福の中でも、地獄の中でも、虚しさの中でも、
お前への「反逆」だけは忘れない。
そうして我等はお前の保護者になろう。

おっと、保険にヒドラの矢を一本。

魔界医師ブエル

魔界医師ブエル/Buer

頭からケンタウロスの足を5本生やした獅子。病(精神も含む)の治癒に関しては魔界随一。薬学・語学・哲学・論理学を得意とし、調和・喜び・笑い・精妙を担当します。【wiki】

魔鳥アンドレアルフス

美馬孔雀アンドレアルフス/Andrealphus

大きな孔雀の姿で現れます。プランシーの版画では馬孔雀です。気象予報・人間を鳥にする・邪眼?・数学・幾何学(測量)・天文学を得意とし、創造・建築・賢明・利己性を担当します。【wiki】

 


ローロー:2016/05/29

サーチマイセルフ ▼

幸薄い人間とは、己の中に滴る水を
噴き出す蛇口を失った者だ。

そしてそれは、かつて己自信が望んだことだ。
秘められ過ぎた秘密はやがて
その価値すら忘れられるということだ。

幼心の天性を失った無い物ねだりのパーカッションよ
その肉体と脳に刻まれゆく艱難辛苦で以て
砕け散っては甦れ


竜胆ヒマワリ:2016/05/30

外された梯子・埋められた子宮 ▼

己を燃やし尽くす魔曲を自ら孕み、自ら産み
その業火に幾度も詩に耐え、幾度も読み換える

七度も転生すりゃ参道のゴミもあらかた燃え尽き
この芸術的迷宮の本丸に突入だ


ローロー:2016/05/30

抱いて寝る唯一の枕詞 ▼

垣根の垣根の曲がり角
境界 制限 タガの隙間で
出会える魔法の旋律の在処

アブサン 南無三 不実の純潔
相反してはシンパシー

願わくば
その譜面はお前の脳裏から線香のように
空に晒して霧散せよ
霞を喰えとは敢えては言わぬが
思う所はあるはずだ

本当の想いは誰にも知られず
ましてや音の揺れにも漏れず
胸に秘めたる不毛な願望
熟し果てては抱えて眠れ


cue :2016/06/02

ニガ世モギ ▼

風に 吹かれて 叫んでは、 ( わたしの外の… )
雨に 打たれて 泣くのです。( わたしの外の… )
土を 香って  うずくまり、( わたしの外の… )
火を 囲んでは 踊るのです。( わたしの外の… )

息が、荒ぶり、( 私のなかのシルフ )
血が、逆巻き、( 私のなかのウンディーネ )
骨が、軋んで、( 私のなかのノーム )
目が、燃える。( 私のなかのサラマンダー )

謝肉謝精のクンニヴァル
感謝感激姫あらわ


竜胆ヒマワリ:2016/06/02

低きに流るる人の業。
高きを目指す人の業。そのワルツ。
 ▼

足があるからダンスする。
言葉があるから詩を紡ぐ。

その個人の芸術が抑えられる時代(とき)は
世の中の金と力が
一処に滞っている兆し

だから
金を集めるための祭りと
金を散らすための祭りを重ね
個々に引き篭った善力を交歓しよう
世の中の
物と命と精神が
流れて震えて増えるよう

魔鳥ハルファス

戦争準備の凶鳥ハルファス/Halphas

血のように赤い目に、屍臭を漂わせたカモ・カラス・コウノトリ・ハトの姿。または片足を露出した緑衣のかすれた声の女性。戦争全般・要塞の建築・武器の補給・兵士&艦船の適格で迅速な派遣・人々に戦争を吹き込むのを得意とし、剣の腕もあります。これらの技術を人間に無償で与えるのは、彼が望むのは流血そのものだからです。高慢・高貴・富・権力・うぬぼれ・無礼を担当します。【wiki】

 


宴結び:2010/04/28

カノン ▼

さあ今だ撃つのだ 猟人よ 侵略者よ
 汝が追いかけて 追いかけて
  汝が追いかけて 追いかけて
           追いかけて
銃口を向けて 砲塔を並べよ
引き金を引き 火縄に灯せば

嗚呼、今だ討つのだ 弾丸よ砲弾よ散弾よ榴弾よ
 汝が追いかけて 汝が追いかけて
  汝が追いかけて 汝が追いかけて
              追いかけてくる
 我に迫りくる 我に迫りくる
  汝が追いかけて 汝が追いついて
              肉に触れ

きっとそれは我を打つ
 繰り返し 繰り返し
      何度も


竜胆ヒマワリ:2010/04/29

 人間は歴史から
「人間は歴史から学ばない」ことを学んだ ▼

引き金の端正なタイピング
頭蓋を跳弾するリズム
崩れた膝のステップ
破れた動脈の最後のシャウト

………………………………

魂への畏怖と罪は鎮静され
繰り返し間引かれる生誕のタイミング
繰り返し世界を商談するイズム
繰り返しクズれる株券でストップ
繰り返し焼かれる道楽なショット

………………………………

耳をすますべきはあの一瞬の吐息
目をさますべきはその怠惰な鎮静歌


宴結び:2010/04/29

ロンド ▼

 くりかえしのうた

砲身をならべて 進めや進め
何度でも 何度でも

喉元をすぎれば血の味だって忘れる
瘡蓋の下からじわりじわりと噴出す膿の泣き声に一小節

方針をそろえて 進めや進め
幾度でも 幾度でも

軍靴の音を軍歌の声を
急ぐのだ、いや待つのだ?
未だ知ることのない骨へと響く一小節

放心をたたえて 進めや進め
空虚でも 空虚でも

荒廃した大地と銃声の合間
そこに確かに残るリフレイン
肌は破けて皮となりぴりぴりばりばりと裂ける一小節

疱疹をかかえて 進めや進め
最後でも 最後でも

滴る汁を飲み干して
溢れる汗は飲み下し
インスピレーションは神経に電気を流し
尿と流して一小節

  (*くりかえし)


竜胆ヒマワリ:2010/04/30

競争曲 ▼

金も銀も使いはたし
翼も干涸び馬も禿げ
角も槍もとうに折れ
王も玉も捕れてなお
9×9の枠を掘削しながら工兵たちのゲームは続き
ゼロフラットな荒野へと零れ落ちてゆく

眠っても同じ景色
反転の転轍機は遥か彼方か?
通り過ぎてはなかろうが?
あの薄曇りは反撃の狼煙の名残じゃないのか?
この怒号とデマと呟きは復活の呪文の欠片じゃないのか?
起きても同じ景色

頭の中の∞☓∞の基盤
退屈しのいで頭蓋を囲み
薄れて破れた海馬から
毎夜絶えない革新の歌・保守の歌
狂想曲が来越えてくる
ア・セッション!

新しい一歩
新しい一手
新しい朝