カテゴリー: 詩

亀老人ヴァッサゴ

  

ヴァッサゴ/Vassago

◉ 中世キリスト教『ゴエティア』

巨鰐に乗った逆三角形の白い骸骨顔の老人で、盲目の目はこめかみまでつりあがっています。緋色の衣をまとい、黄金のブレスレットを着けた右手に鴉をとまらせた、かすれた声の落ち着きのない男です。過去と未来の透視・失せ物の情報・女・悪徳を得意とし、女の秘密に通じ、その講釈をしたがります。アガレスに準ずる職能ですが、よりおとなしいので簡単に呼び出せます。完全・苦難の末の完成・労働後の休息・賢明・精妙・喜び・美を担当します。【wiki】

 


ローロー
2014/10/26

虫の歌 ▼

こう生きたい ああなりたい
これがしたい すぐに行きたい
世界のどこかへの憧憬とみすぼらしい安息を背負って
ヤドカリは今日も膨大な情報量の上を縫うよ

己の絶望的な弱さと 生き物としての他愛ない歪さに捧げて

夜空の隙間たる下弦に照らされても気づけずに
好きでもない歌を唄いながら
世界のどこかへの憧憬と
無心になりきれないつま先の弾みで
ヤドカリが 色のついた虫けらが 人の心で以て
恋の歌を唄いながら
黄昏の燃える窓に向かって 縫う 己の 寿命を

 


kapa
2006/01/08

ひさしぶりに書いてみました ▼

そっと闇の戸叩いてごらん
その音は限りなく響き
その響きが消えるとき
世界は破滅す


竜胆ヒマワリ
2017/10/30

多次元宇宙論

マルチバース ▼

結んだ掌から宇宙が生まれ
開いた掌から宇宙が消える
ジッと手を見る我が暮らし

聖魔神アブラクサス

アブラクサス/Abraxas

◉ グノーシス神話・ミトラ神話

アイオーン神族のひとりとして選ばれた者を天国に導く。鶏頭に蛇足という異形であり、手には鞭と盾を持ち4頭立ての馬車を駆る。【wiki】

私がグノーシスという言葉を知ったのはエヴァンゲリオンです。グノーシスの母体ともいわれているマニ教も『漫画版:風の谷のナウシカ』で知りましたし、アブラクサスの名も『少女革命ウテナ』で知りました。どうやらグノーシスはサブカル日本と相性がいいようです。

竜胆ヒマワリがデザインしたアブラクサスもこの流れを踏まえ『楳図かずお:14歳』のチキン・ジョージに似せて描きました。グノーシスが日本にセカイ系や中二病を蔓延させただけではないといいんですが。

 


ヘルマン・ヘッセ
1919

『デミアン』 ▼

鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。
卵は世界だ。
生まれようと欲するものは、
一つの世界を破壊しなければならない。
鳥は神に向かって飛ぶ。
神の名はアプラクサスという。

 


ローロー
2006/11/24

キングサイズのこの世界 ▼

天使と悪魔は魂取り合う それはさながら恋の鞘当て
全ての魂 消えたなら 恋人全て消えたなら
何を抱いて眠るのだろう 互いを抱いて眠るのだろう
天使と悪魔がベッドイン もうすぐ我らは一つになれる


竜胆ヒマワリ
2006/11/24

双方が溺れても救われるモノ ▼

天使と悪魔の間にも
深くて暗い川がある
誰も浮かべぬ川なれど
助けに飛び込むバカがいる
high & low
high & low
振り返るな ローロー


ローロー
2006/11/25

歩きながら待つために ▼

恵まれずとも微笑んで 微笑むからこそ恵まれて
月夜に照らされ死にゆく我が身
朝日のもとに残される髑髏

シャレコウベは何を語る・・・・?

カタカタ笑いで未来を睨み 覚醒の夜をニヤニヤと待つ
暗黒に浮き彫りになる 呪われた欲の花びら
ノスタルジックなエロティック 揺れる揺れるメランコリック
目を閉じて感じろシトリー 寄せては返す淫らな潮騒を・・・

三界の伝令使ヘルメス

伝令使ヘルメス/Hermes

天界・人間界・冥界を自由に行き来する神々のメッセンジャー。オリンポス十二神の一柱。口がうまく、人を口説くのも嘘をつくのも手慣れたもの。手先も器用で楽器なども作れます。策を練るのも実行するのも上手く、運も味方するギリシャ神話のトリックスターです。【ヘルメス/wiki】【メリクリウス/wiki】

カドゥケウスの杖/Caduceus
ケリュケイオンの杖/Kerykeion

ヘルメスが持つ二匹の蛇が巻き付いたデザインの杖。神々の伝令使の証であり、ヘラの忠臣イリスや、錬金術師メリクリウスも持っていたそうです。現代では商業や交通のシンボルです。(医療のシンボルであるアスクレピオスの杖は蛇が一匹)【wiki】

 


ローロー:2017/01/10

スタンディング・セルフオーバー ▼

今日も今日とて 世界は空白を埋めるのに必死だ
字で 声で 詩で 音で
虚空を否定するのに必死だ

有!圧倒的な有のかりそめで
賑わい立てる意味無意味

抱け!高嶺を通り越した大気圏のガラスの花を
その儚く屹立するピグマリオの彫刻を


竜胆ヒマワリ:2017/01/12

スタンド・アローン・コスプレックス ▼

死ねばイイのにイキてるヨワモノ
死ねばイイのにイキてるワルモノ
そんなコトを考エル
そのヨワさ
そのワルさ

 背中の無明をサケるため
 背中の光明ツカむため
 光る液晶の水底を
 燃えながら渦巻く
 無数のゴースト
 また一里塚を飛び越えて
 登った朝日に溶け消える


竜胆ヒマワリ:2017/01/12

スタンド・アローン・コスプレックス ▼

仲間も喰エずにハカ穴ほって
自分も喰エずにハカ穴うめて
どんなコトも考エナイ
そのヒマさ
そのノロさ

 起きてゴロゴロ
 寝てはグルグル
 光る液晶の水底で
 唾垂れ転がる
 ひとりのゾンビ
 また一里塚に乗り遅れ
 沈んだ夕日に忘れ去られる


竜胆ヒマワリ:2017/01/12

スタンディング・オベーション ▼

 すべてのシシャが
 天の蓮に昇るため
 泥沼を這いずり

 すべてのミズコが
 蓮の花弁に移るため
 吹雪と共に舞い踊る

 それでもなお
 不死を願うカンダタ王は
 幾多の我に囚われて
 蜘蛛の糸を断ち切り

ー暗転ー

 そしてまた
 朝焼け色のライトが灯り
 (おび)えた女神の乳に抱かれて
 カンダタ童子を照らすスポット
 カーテンコール
 拍手万雷棺無料!

…傀儡の舞台よ
 長く長く走れ
 運命の車輪よ
 く永く廻れ


ローロー:2017/01/13

パージ・マイセルフ ▼

終電のホームで酸素を独り占めしていた夜
白い息だけが嘘をつかなかった夜
忌まわしき無害な不可視の畜生が
朝が来るまでウロウロ虚ウロ

誰も彼も救おうとしない光に
憧れ群れる五分の魂

知覚の毛細を
微粒子のネットを
遊ぶ指先から 選んだ景色から
眼差しから 

もっと自分を知りたくて忘れたい
言葉ではなく
他者のために生きたい
そう思った夜


cue:2017/01/14

言葉は本当の嘘 ▼

 真実はある。頭の中を機能するまで組めばいい。
 愛もある。囁き、吸い合い、眠ればいい。
 しかし、
 真実の愛・・・
 真実の愛だけは

それは一夜の夢

 夜が明ければ、砦に潜む味方に矛と盾を配り
 日が沈めば、砦に籠もる敵に毒と薬を配り
 利害を調整する日々日々日々・・・
 しかし、
 真実の愛・・・
 真実の愛だけは

それは白昼の夢
本当の魔法

野生児とヲタク

野生児

野狐禅:少年花火

 ヲタク

武田鉄矢:少年期

 

探求者:2016/12/08

歴史 ▼

歴史を学ぶことは不思議だ
ヤマトタケルの横を歩き
蘇我入鹿の首を眺め
大仏開眼に涙を流す

鎧武者と馬に乗り
坊主とともに経を読む

紅毛人と海を征き
千利休と茶を飲む

事実だとは限らない
ただただ楽しいひと時

私はこれからも学んでゆこう
彼らとともに


ローロー:〇〇〇〇

過ぎたこと ▼

血で血を洗え ヒストリエ
知で知を洗え ヒストリエ

近代?中世?紀元前?

遡る ごとに濃くなる血の匂い
産声上げては溶けてゆく
無名の血文字の卒塔婆を振るい
思い馳せるは過ぎたこと

近代?中世?紀元前?

紐解く度に思うのは
我ら皆 昨日生まれた命かも
毎夜絶滅し
毎朝生まれる命かも

その度外視な疑いを抱いて
更に紐解く過ぎたこと


竜胆ヒマワリ:2016/12/09

♪タイムトラベルは楽し ▼

五才の息子と手をつなぎ
夕日の土手をウフフと歩く

フイに
五才の僕を思い出し
三十路の父を見上げてる
左手も
三十路の息子とつながって
夕日の土手を吊られて歩く

僕らの脳は
過去と未来を重ねて演じ
ある(=1)とない(=0)とを重ねて処理する
量子コンピューターVR

蜂男ビーマン

 

ビーマン/Bee-Man

硬い殻と柔らかい羽を持つ虫人。集団で行動し、女王や巣を攻撃する者には自分の死を厭わずに攻撃します。

 


宴結び:2016/07/31

無題 ▼

出遭っちまったが運の尽き
いつかの花に風が吹く
追って縋ったこの惨めさも
明日の雨には足りぬという
カッコウカッコウカッコウコウ
下手な拍子に郭公が鳴く

笑った振りして化粧して
振って返れば悍ましい
宛もないのに辛さで満ちた
器はひとりで干せばよい
カッコウカッコウカッコウコウ
おひとりさまには郭公が鳴く


ローロー :2016/09/18

孤を描く 弦 ▼

断ち 捨てて 離れれば
苛む木枯しもやがて止み
その虚無さえも懐かしくなる

それが強さ
お前の強さ
奏でる弦を弾かずなぞる
ただどこまでもなぞりゆく
突き詰め放つ
その強さ


ゲヘナ:2016/09/19

孤毒 ▼

月も出ぬ夜に踊り出て 吹き荒ぶ風に身を晒し
鳥の鳴く木に石を投げ 散り行く花に死を想う

そして受け持つ器の中の 満ちに満ちたる辛さの海に
ポトリと落ちるは一匹の 小さな小さな小さな子虫


そして月日は流れ着き


月も出ぬ夜に踊りだし 吹き荒ぶ風に身を委ね
鳥の鳴く木に餌を投げ 散り行く花に昔を想う

そして手に取る大弓の 張りに張られたその弦を
優しくなぞるは一匹の 大きな大きな大きな弧虫

強きはひとか この虫か?