桐島、部活やめるってよ



高橋優:陽はまた昇る

桐島、部活やめるってよ

「スクールカーストの話でしょ。ヤダよ」って感じだったんですが、BSでやってたんで視聴。見終わった後も「そこまで評判になるような話か?」という第一印象でした。

しかし、1日たっても2日たっても、この映画が頭から離れません。なるほど、作品で完結というよりは、見た人間の思い出や世界観が次々と浮かび上がり、繋ぐ触媒的な映画のようです。中央の空白という構造が、そのまま視聴者の記憶や意識をかき混ぜるのかもしれません。

私の映画の好みは基本的にSF、ファンタジー、ホラー、ギャングですが『今を生きる』『アレキサンドリア』『リンダリンダリンダ』など学園ドラマも結構、思い出しました。桐島はなぜ部活をやめたのか?ゲームを降りるとは何か?で連想した映画を紹介します。


今を生きる

これも『桐島…』と同じように、ゲームから降りて、別のゲームに参入しようとした男の子の話。中1くらいに見たのかな。字幕で見た最初の映画であり、家族と一緒に見た最後の映画です。号泣号泣で、誰かと映画館に行くのはマズイ場合もあると知った映画でした。詩への興味も持たせてくれ、生涯ベスト10に入ってます。このサイトでも大量に引用しています。

特に重要なシーンは引っ込み思案のトッドが壇上で詩を披露するシーンです。多くの生徒が詩の披露を恥ずかしがって適当に作った詩でお茶を濁しています。トッドは恥ずかしさのあまり詩を作ってもいませんでした。キーティング先生はそれを見抜いていましたが、トッドを無理やり壇上を上げ、教室の後ろに飾られたヴィトゲンシュタインの肖像画で即興詩を絞り出させます。その詩に教室の皆が次第に引き込まれ、最後は拍手の波。トッドは皆に一目置かれるようになります。

この導き方も素晴らしいのですが「皆が言葉にできていないモヤモヤを正確に表現できる人間は一目置かれる」という描写が実に素晴らしい。正確な言葉を正確に配置すると正確な思考回路が動き出し、人々に歩むべき道を指し示すのです。


アレキサンドリア

4世紀エジプトの美女天文学者ヒュパティアの物語。エジプトの神々とギリシャの神々が同居する神殿での講義をするシーンから始まります。やがて、この神殿はユダヤ教からキリスト教に切り替わる時代の激流に飲み込まれ、この中でヒュパティアは「真理」のためにこの激流と戦います。『桐島〜』での同調圧力は、ここでは目に見える激しい暴力と恫喝です。


リンダリンダリンダ

これは『桐島〜』とは似てないな。真逆?裏面?ペ・ドュナ目当てで見たんですが、いや〜心地いい映画でした。学園祭のバンド祭りでの『風来坊』が最高なんですよ。『天使にラブ・ソングを2』『スクール・オブ・ロック』系列ですね。青春映画と音楽は相性が良いな。

エッグ

スポーツも芸術も、誰と誰が付き合うかも『オーナー』に支配されている世界。彼らはこの支配から卒業できるのか?

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悪魔くん千年王国

『悪魔くん、学校辞めたけど戻ってきたってよ。』これも「この支配からの卒業」モノ。

メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

片田舎で夫婦生活を送る元アメフトヒーローと元チアリーダーのカップル。彼らは30才を過ぎてからある事件をきっかけに、学校時代から続いていたゲームを卒業させられます。

▶ TBSラジオたまむすび「山里、JUNKやめるってよ」
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