黄金のリンゴの守護竜ラードーン



Rudolph Tegner

黄金林檎の守護竜ラードーン/Ladon

ラドン。怪物の母エキドナと嵐の神テュポーンの間に生まれた百の頭を持つ不眠の竜。ヘラクレスの12の試練のうちのひとつ「黄金の林檎」を守っています。【wiki】

 


竜胆ヒマワリ:2016/10/18

ゴールデン・アッパーメンの誘惑1 ▼

 今日も英雄は来たらず。
 ガチャに夢中になっているのか?
 スタミナ消費に疲れているのか?
 不眠のラドンも
 夕日に背を向け目を閉じる。

 瞼の裏にはいつもの幻影。
 暗闇の中、振り返る黄金リンゴはシャレコウベ。
 カチカチ鳴る歯から、いつもの口上を垂れる。

「そりゃそうさ。
 この『黄金』はお前のために遺された『生命』。
 この『リンゴ』はお前のために熟した『知恵』。
 私がお前の”さらなる不死の心臓”になろう。
 世の中のすべての絶品を味わい、
 世の中のすべての絶景を眺めて、
…そして、
 お前の望みが絶たれたときに、
 私に心臓を返してもらおう。」

 目を開けるとスッカリ夜。
 しかし奇妙な反射光が目に入る。
!黄金リンゴが自らの力をギラリギラリと放出している!
 思わず光るリンゴを口に隠した。


竜胆ヒマワリ:2016/10/19

ゴールデン・アッパーメンの冒険2 ▼

 たちまちラドンに力がみなぎり、
 たちまち天地の言葉がわかった。
 我こそが英雄だったのだ!
 海に出てレヴィヤタンを屠るのだ!

 初めて泳いだ海の底。
 とっても気持ちが良いもんだ。
 早速発見レヴィヤタン。
 早速突進ラ・ドン・キホーテ。
 吸水流に気づいたときにゃ
 すでに胃の中、カエルすべなし。

 見渡すと、ここは印刷所か?…いや、造幣局か?
 行方知れずの錬金術師が
 七色紙幣を刷っては七色管に流し込んでる。

 ラドン自身も捕らえられエンジンルームに配置済み。
 前後左右の従業員は各地で倒れたはずの数多の悪竜。
 黄金を吸っては紙幣を吐いてを繰り返している。


竜胆ヒマワリ:2016/10/20

ゴールデン・アッパーメンの回想3 ▼

 リヴァイアサンは各地で洪水起こしては
 溺れた人々背中に乗せた。
 マッチも売ったし、ポンプも売った。
 ドルも買ったし、元も買う。

 やがて海をも飲み干して、
 砂漠を這いずるリヴァイアサン。
 ウロコと化した人々のため、
 イナゴの死体を漁る日々。

 ああ、思い出すは若かりし青春の日々。
 黄金は脈打ちながら増殖し、
 生命は黄金のごとく輝いた。
 いまや命も心もモノに成り果て
 取引される計略の世界。

 やがてイナゴも尽きはじめ。
 ウロコは剥がれ、目も霞む。
 四肢が萎えては、背も軋む。
 腹の虫も金を持ち出し、
 死臭漂う胃腸を掻き分け、
 歯抜けの口から逃げだした。


竜胆ヒマワリ:2016/10/21

ゴールデン・アッパーメンの真実4 ▼

 黄色い塵が立ち込める空は低く薄く、
 地は赤錆びた鉄筋コンクリが層を成す。
 北には分厚い氷河の壁が、
 南にも分厚い氷河の壁が、
 まるでモーセが開いた海のごとしだ。

 ボフンッ!

 背後で鈍い破裂音。
 腐敗ガスが臨界越えて、
 四散するリバタリアンの腐った肉と、
 空に舞う錬金された七色の紙幣。

「〜♪絶景かな〜。絶景かな〜。」

 世界の終わりを嗅ぎながら
 思わず鼻から歌が飛びでた。
…その瞬間、黄金リンゴがギラリと輝く。
 ラドンの身体は風船のように膨らみはじめ、

 パン!

 血潮が霧散しコロコロポンポン転がる目玉。
 ラドンの目玉に最後に映ったのは、
 リンゴの顔した金色エイリアン。
 2頭の死体を振り返りもせず
 スタスタ歩いてフイに消えた。
 地平線に走り去ったか?
 それとも宇宙に飛び立ったのか?

 なにはともあれ めでたし、めでたし。

 

gold_alien-min

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

Optionally add an image (JPEG only)