タグを付けてやる

▶ NHK 100分 de 名著 レヴィ=ストロース『野生の思考』

伊集院光さん100分de名著は『野生の思考』。中沢新一さんの本には影響されており『野生の思考』という言葉も知っていましたが、レヴィ・ストロースは『悲しき熱帯』のジャングル辺りで挫折しています。100分de名著でトーテミズムとタグ付けの関係を知りました。これは面白い。

人間にはタグ付けする能力があります。私の住んでいる秋田県秋田市は、海側は大和朝廷の文化圏であり、内陸部はアイヌの文化圏という境界に位置しています。アイヌは日本が大陸と氷河で陸続きだったころに北から歩いて来ました。ヤマトは大陸沿岸(苗(ミャオ)族/潜水漁業と稲作の一族など)や南島の人々が船を漕いで来ました。

 ◉北から歩いてきた人たち。
 ◉南から船で来た人たち。
 ◉狩猟・動物神・水平に移動・食う食われる。タンパク質。
 ◉稲作・植物神・垂直に成長・光地水を炭水化物に変換。

 植物神にも細かくタグ付けしイメージが細分化。
 ◉樫神・枝は高く光を求め、根は深く泉を探す・世界樹・学問的
 ◉稲神・毎年枯れ毎年育まれる・人々の腹を満たす・産業的
 この2つの植物神は時間や不死の概念が結構違います。

このようにタグをつけることで、モノ・イノチ・コトが複雑に絡み合った世界を、やっと捉えることができます。そして朝夜、春夏秋冬、生と死といった時間の概念を知り、個人の死を越えるために動物神と植物神の星神のタグを超絶技巧で組み合わせ、国家の建築ヴィジョンや神話を造りだします。このタグを付ける力こそココロの働きです。このサイトで行っている返歌もこの働きがあってこそです。

モノ・イノチ・ココロを組み合わせ、料理を作ったり、家を立てたりと様々なコトを発生させているのが人間です。そして、ゆくゆくは科学(知る力)と技術(加工する力)で宇宙さえ造れると夢想するのが人間です。この力の強さに私は酩酊します。そして「今を生きる」とか「幸せ」とかを見逃すのです。しかし、テクネーが、知性が、人間が、生物が、宇宙の中に宇宙を産むための装置・臓器であるというヴィジョンも捨てがたくあります。そのヴィジョンが人類を滅ぼすスピードで疾走するのをさけるため、私達はのんびりと他国の文化や、隣人の庭や、宇宙人の遺跡を巡らないといけないのかもしれません。

レッテル貼りとタグ付けの違い

言葉の意味としては同じですが、レッテル貼りはステグマや烙印を押し、グループから排除するために機能します。(ミュート機能)タグ付けはグループに入れるために機能します。これは正反対の機能でもあり、同じ機能でもあります。

番組内でも近代建築思考とブリ・コラージュでの建築思考との対比が語られていましたが、料理で例えてみます。近代的思考はチェーン店の料理。栄養・鮮度・コストが最適化されますが、大量の食品廃棄も起きます。ブリ・コラージュの料理は冷蔵庫の中を片付けるための料理。毎回、栄養バランス良くて美味いわけではありませんし、お腹に余分な脂肪もつきますが、食品廃棄は防げます。社会とは、この両者がせめぎあう最前線に「両者にとってイイ場所」があるというヴィジョンによって成り立っています。


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